ホーム > 旅行記 > 韓国の新幹線KTXに乗ってみた。【ソウル-釜山】
by murubushi.com


壁紙のページへ!
旅行記のページへ!
むるぶろぐ
温泉訪問記
掲示板へ!
リンクはこちら!

韓国の新幹線KTXに乗ってみた。【ソウル-釜山】

最高速度300kmを誇る韓国の新幹線KTX搭乗記。(釜山-ソウル)

旅行期間:2008年5月25日〜5月26日
釜山駅に停まるKTX
これがKTXだ!
KTXは2004年に開業したばかりのソウル-釜山(プサン)間408.5Kmを最高時速300kmおよそ2時間40分で結ぶ高速鉄道だ。408.5Kmを最高速度300Kmで走ればもう少し短時間で着きそうだが今は一部区間のみ高速鉄道の専用線を走行しており、その他の区間は在来線をトロトロ走っているため距離の割に時間を要している。2010年には全線開通予定で、ソウル-釜山間は1時間56分で結ばれる。
KTXの切符を買う
KTXの予約・切符の購入はインターネットでも可能との事とだが韓国語のサイトのようで日本からインターネット予約ができるかは不明。その他、JRで発行している日韓共同切符を購入した際は日本の窓口でも予約ができるらしい。また旅行代理店に頼むという方法もあるそうだがそれなりのマージンを取られるようだ。今回は行き当たりバッタリ空席がある事を祈り直接駅の窓口に乗込む。
ソウル駅のKTXチケット売場
KTXの乗車券。5月25日14:30釜山発17:13分ソウル着。KTX144便2号車5C席という意味。
KTXの乗車券をGet!
韓国語と英語で表示されている掲示板を見ても意味不明なので、窓口のオネーと直接掛け合う。どうやら掲示板の右端に表示されている数字が残席数のようでまだ余裕がある。料金はソウル-釜山間特室(ファーストクラス)で片道71,700ウォン日本円で7,170円程。ちなみにエコノミーだと44,800ウォン(約4,480円)。日本の新幹線に比べるとかなりリーズナブルな価格設定だ。予約をする際も各窓口に客向けに表示されるモニターがあり日本のみどりの窓口よりハイテクだった。
KTXの編成
KTXはフランスを中心とするヨーロッパの高速鉄道TGVの技術を導入して作られた。その為各車両に動力車(モーター車)がある日本の新幹線と違い、先頭車両と最後尾の車両に動力専用車、その隣りに動力客車を配置し計4両の動力車で16両の客車を挟み込んでいる。
全20両編成の全長は388mとなり、日本の東海道山陽新幹線N700系の16両編成404mより車両数が多い割に長さは短くなっている。それは前後の動力車を除いた車両が連結部分の下に台車がある関節連結方式を使用している為で1両あたりの長さが短くなっているからだ。関節連結方式は乗り心地の向上や、脱線時に全車両が一体となり損害を減らせるなどのメリットがあるようで、日本では小田急のロマンスカーなどに採用されている。
また走行中、ドア周囲のゴムパッキンを膨らませる事により車内の機密性を高めトンネル通過時などに耳鳴りがしないよう設計されており気圧の変化に敏感な我てにとっては嬉しい技術だ。
KTX動力車
KTXのロゴ
KTXのロゴ
KTXとはKorea Train Expressの頭文字を取って名付けられている。(ロゴの下にあるハングル文字は解読不明)
駅構内の案内板にもKTXの文字やロゴが表示されているので、切符売場や乗り場に戸惑う事はない。しかし、切符さえあればすぐホームに行ける日本とはちょっと違い、改札は発車時間の前にならないと始まらないので、改札口の前は結構な人だかりとなっている。
KTXの車内
KTXの客室は特室(ファースト)と一般室(エコノミー)の2クラスになっている。特室の方はゆったり横3列の座席レイアウトでシート間隔も広くリクライニングが結構きく。一方エコノミーの座席は横4列配置。車両中央の座席で対面する形で座席が固定されている為、進行方向前方の席は進行方向に背を向けて進む事になる。これは利用者にかなり不評らしく、いづれ改善されるらしい。
特室車内
KTX車窓風景
KTXの車窓
KTXは前記した通りまだ全線開通しておらず、釜山を出発してしばらくは川に沿ってのどかな在来線を走行する。韓国の鉄道は日本と同じ左側通行なので、すれ違う列車は進行方向右側の車窓をあっという間に通り過ぎていく。
日本の新幹線がすれ違う際、結構風圧による揺れを感じる事があるがKTXに関してはそんなに気になる揺れは感じなかった。
KTXの車内販売
KTXでも売り子さんがカートを押して車内販売にやってくる。とりあえず呼び止め「ビール」を注文すると「hite」とか言う韓国ビールがすんなり出てきた。ついでに小腹も空いていたので「ランチボックスあるか?」と尋ねると通じない・・・
ランチボックスって英語で弁当じゃないのか?とうろたえ日本語で「べんとー」と叫ぶと「ベントー」と言いながら韓国版駅弁を出してくれた。「べんとー」って韓国でも通じるのか?ちなみに料金はビールと弁当で9,000ウォン程。もちろん弁当の中にはプルコギとキムチがいっぱい入っていた。
KTX車内販売の弁当
KTX車内にある水自販機
知らなきゃ損する
KTXの車両のつなぎ目付近にはミネラルウォーターの自動販売機がある。往路では何も知らずに普通の自動販売機だと思っており、喉も渇いてないので特に使わなかったが、復路ソウル市内のコンビニで仕入れた焼酎を水割りにする為ミネラルウォーターを買おうと思ったところで、自販機の前に立ち尽くした。
「お金入れる所がねー!?」
するとやって来た他の乗客がお金を握り締め呆然と立っている我てを見て実演してくれた。
1.一番右のボタンを押す。
2.商品の下のボタンを押す。
すると「ゴトン」とペットボトル入りのミネラルウォーターが落ちてきた。
「KTXの水はタダだった・・・」
無論この後人目のつかない時にズボンのポケットを晩酌用の水で一杯にしたのは言うまでもない。
304km/h
KTX特室の天井にはサムスン製の液晶モニターがついており、ニュースやCMを流している。高速走行時にはモニター左上に現在の速度も表示されいつ300kmを超えるものかとにらめっこ。しかし290km台後半での走行がほとんどでなかなか300kmは超えない。
いい加減揺れる車内でカメラのファインダー越しに液晶モニターを見つづけるのに疲れたころ瞬間的に出ました304km/h。
KTX天井モニターが304kmと表示している
ソウル駅に停まるKTX
終点
結局今回はKTXを利用して半日で釜山-ソウルを往復した。釜山に戻ってきたのは日付の変わる直前。
この後にも何本か到着する便があったのでKTXはかなり深夜まで営業しているようだ。
1泊2日の釜山滞在にもかかわらずソウルまで足を伸ばせたのはKTXの恩恵を受けてからこそ。全線開通、さらなる所要時間短縮が待ち遠しい。

海外の電車は何処で乗っても楽しい。それは単に我てが乗り物好きというだけでなく、流れる車窓風景からその国の文化や歴史、人々の生活を垣間見る事ができるからだ。
ただ1ついつも感じる事。日本の在来線の線路の幅は狭い。日本の在来線1067mmに比べ韓国では1435mm(新幹線と同じ)インドでは1676mm。これは1説に日本に鉄道が敷かれる際、植民地幅として狭い軌間を設定されたのが原因らしい。海外の鉄道に比べれば日本の在来線はトロッコ列車のような物だ。高速性、安定性等の面から見れば軌間が広い方が有利な事を考えると悔しい気がしてならない。
※値段・時刻・便名等のデータはページ作成時のものです。



Copyright(C)2002〜murubushi.com ALL Rights Reserved.